豊かな生物多様性を育み、環境と共生する伝統農法
世界農業遺産
「静岡の茶草場農法」
茶草場(ちゃぐさば)とは、茶園に敷くササやススキなどの草を刈り取るための草地のこと。茶園のまわりには茶草場が点在しています。静岡では当たり前の風景ですが、他ではほとんど見られない、静岡県ならではの風景です。
茶草場から刈り取った草を茶園に敷く伝統の技は、より良いお茶をつくろうとする農家の努力によって、今日まで受け継がれてきました。農業と生物多様性が同じ方向を向いて両立していることが世界から評価され、世界農業遺産に認定されました。
茶草場農法の、茶畑とお茶への効果
茶草場に息づく生物多様性
茶畑に咲く、リンドウの花
毎年秋の草刈りが、茶草場を多様な生き物のすむ特別な場所に変えてきました。


茶草場で観察されている草地性の植物。固有種や絶滅危惧種も確認されています。良質なお茶をつくる営みが、結果的に生き物を守ってきました。
朝霧かかる里山
霧に包まれる盆地が、甘みを育てます
島田市菊川は山あいの盆地。霧が出やすく、すごいときにはどこに何があるかすら分からないほど。近くの静岡空港の飛行機が飛べなくなるくらいの霧に包まれると、幻想的です。
葉に当たる日光がやわらぎ、紫外線を浴びる量が少なくなります。
甘みの成分「テアニン」が多く、渋みはほどよい、バランスのとれたお茶に。

深蒸し茶とは?
摘んだ茶葉は、蒸して酸化を止めます。ふつうのお茶より長〜い時間蒸すのが深蒸し茶。茶葉がやわらかくなり、お茶の旨味が出やすくなります。深蒸し茶の発祥は牧之原台地。朝霧のかかる里山で育った茶蔵の茶葉は肉厚で、長く蒸すことにも耐えられる、正真正銘の深蒸し茶です。
茶蔵のある場所
間(あい)の宿 菊川
東海道の宿駅制が定められた当時、金谷宿と日坂宿のあいだ(一里二十四町)にはさまれた菊川は宿場とされず、旅人の宿泊は許されていませんでした。
大井川が川留めになると宿泊が許され、茶店や農家が急ごしらえの旅籠に。小夜の中山をひかえた休息の地「間の宿」として旅人を迎えました。
その菊川の茶畑で育てたお茶を、茶蔵がお届けしています。
※ 宿場の並びを示す模式図です(距離・道筋は正確ではありません)。